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奥の部屋に着くと、彼女は部屋の襖(ふすま)を思いっきり開けた。
「じ様っっ!!!」
部屋の中には、一人の老人が居た。
僕はその人を見て凍りついた。
(怖い…。)
老人にしては、たくまし過ぎる筋肉、角刈り風の白髪の混じった髪の毛、堅く引き結ばれた口に鋭い目、しっかりと発達した、四角い顎には白い髭が少しだけはえている。
「じ様。」
固まったままの僕を引きずりながら、彼女はその老人に近づいていく。
「喜乃。」
老人の低い声が聞こえた。
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