8人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
でも、そんな楽しい毎日は儚く終わりを告げた……。
気付いていたんだよ……。
永遠なんて無いって事……。
僕は……君と長く居られないって事……。
最初に違和感を覚えたのは……春のある日……。
体が動かしにくくなったんだ……。
別に太った訳じゃないんだよ。
痛いんだ……。
足から全身に痛みが駆け抜けるんだよ?
理由は分からないけど、太った所為なんかじゃない……。
そんな僕を悲しげな表情で見る君……。
そんな君を見るのが一番辛かったよ……。
突然、後ろ脚が動かなくなった……。
それでも僕は頑張って前に進もうとしたんだよ……?
でも、ダメなんだ……。
何とか引きずるような形では動けるんだけど……。
君は益々辛そうに僕を見てたね。
そして、僕を膝の上に乗せて優しく頭を撫でてくれたね。
動けない僕にはそれが唯一の楽しみだったんだよ。
ついに……前脚も動かなくなった……。
僕は立つ事も歩く事も出来なくて、毎日寝る事しか出来なかったんだ……。
それでも君はいつも僕を見ててくれたね。
でも、僕が見たい顔は君のそんなに悲しくて辛そうな顔じゃないんだよ……。
僕は君に笑って欲しいんだ。
僕が元気になれば……君は笑ってくれるかなぁ……?
最初のコメントを投稿しよう!