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ズキン……。
「……?」
鈍い痛みが胸を貫き、私の心臓はこれまた鈍い心音を奏でた。
一瞬だけ。
……気のせい、かな。
「ねぇ凛、楠木くんがね」
授業中だというのに、隣席の真優はお構いなく私に話しかけてくる。
……やめてくれ。私は壊滅的な成績を授業態度で稼ぎたいんだ。
「今メールしてるんだけどね」
……私とは授業中にメールなんかしないくせに。
「今日の放課後、一緒に勉強会しない?だって」
部活があるの、知ってるくせに。
「でも凛は部活があるから無理だよねぇ」
あぁ、真優はよくわかっている。よくわかっているなら授業中に話しかけないでくれ。
「だからふたりだけで勉強会しとくね。テスト前の部活中止期間になったら三人でやろうね」
ズキッ……。
真優の可愛い笑顔が、私の胸を、鋭い痛みを伴い貫く。
……なんでだろう?
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