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トントン…
「佐織~入るよ~」
お母さんの声にハッと我に返った。
「なに?」
やはり目を合わさなかった。
「体調悪いの大丈夫?」
「……うん」
黙っていても仕方ないのは分かっていても勇気がなかった。
「…………悩み事があるなら言ってくれないとわからないからね?お母さんは親だけど佐織じゃないから佐織の悩み事がわかんないよ?なんかあれば言いなさい。…じゃあ…下にドーナツ買ってあるから体調良くなったら降りておいで」
私は無言で頷いた。
母がゆっくりドアを閉め階段を降りて行った。
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