743人が本棚に入れています
本棚に追加
あつしの家に着き、トイレの前で手を離される。
『…………部屋で待ってる………』
あつしは未だに私の目を見てくれなかった。
そんな不満を心から振り払い検査薬の説明書をしっかり読む。
尿をかけ数十秒後…………
結果は一人で見たくなかった。
素早く下着を上げあつしの部屋に向かった。
『………どうだった?』
あつしとやっと目が合った瞬間だった…………
『まだ…見てない…怖くて…一人で見れなくて……』
…
震える手であつしの前に検査薬を出した。
そして私もそれを覗き込んだ。
目に入ってきたのは………………
『+』の記号………
震える手が焦る気持ちに拍車がかかり乱暴に説明書を広げる。
『…………陽性…』
二人…何も話さなかった…
ただ…沈黙が広がるだけだった…
最初のコメントを投稿しよう!