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「……なんで…?」
声が震えていたと思う。
いつも笑顔のお母さんが真剣な顔で私を見て酷い事をいうから……
同じ女なら…
わかってくれると思ったのに………
「自分が自立していないのにどうやって子供を育てるの?犬の子を育てるんじゃないのよ?人を育てるってのはそんなに簡単じゃないから」
わかってる…
そんなのわかってる………
だけど私は赤ちゃんを殺したくない…
私は泣きながら首を振っていた。
「子供はね?勝手に育つよ?だけど1人じゃ生きられないの。色んな人の愛情をもらって豊かな人間になっていくの。佐織はまだ大人じゃない。子供が子供を産んで精神的に不安定になるんじゃないかと思うの。自立して色んな人と出会って色んな苦しさを知って社会というものを知って…そうやって大人になるんだよ。」
「……そんなの…赤ちゃん…産んでからでも………」
そう言って自分の言葉にハッとした。
星美さんが言ってた言葉…………
収入もない……
働くところもない……
まだ養ってもらって学校まで行かせてもらっている自分…………
体は大人でも身分は子供な自分………
ドラマを見て、星美さんの言う事にも共感できるとも思ってた。
でも私も結局………
あのドラマのヒロインと一緒………
悲しい事に………
私も…………
子供だから………
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