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二人で勝手に学校サボって街を歩いた。
あつしはずっと黙ったままで私も何故か口を開いたらダメな様に感じた。
しばらくするとあつしの足が止まり、二人はドラッグストアの前にいた。
『………検査薬買ってこいよ…ここで待ってる…』
そう言われ千円手に握らされた。
検査薬…………
手っ取り早いけど制服の私に一人で買いに行けって?
でもあつしに買いに行かせるわけにいかないので一人頑張って店内へと入る。
あつしがいる背後を振り返るとあつしは下を向き私の視線に気付き早く行けと手で合図をする。
店員はなんて思うだろう?
高校生が検査薬なんて………と思うだろうか?
説教されるだろうか………
学校に通報されないだろうか?
色んな不安が私を追いたてる。
誰かに見られたら………
店員ぢゃない誰かに…………
棚にある検査薬を手に持ち手で隠すようにレジに持って行く。
会計をすませあつしの元へ向かう。
レジの店員の方を振り返ると店員は私を見ていた。
『……っ…あつし!!!行こう!!!!!』
店前で堂々とヤンキー座りで待っているあつしの手を握り私達は走り出した。
私の手…………
汗ばんでた…………
あつしの手………
冷たく冷えていた………
あつし……
私達のこの温度差はなんだろうね?
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