11780人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
あたしは振り向きもせず、黙って廊下を歩き、階段を降りて、校舎を出た。
「…ナズナ。」
慌てて追いかけてきた絵梨が、あたしの背中に声をかけた。
……。
「スッキリしたぁ!
なんかモヤモヤが晴れたって感じ!
あんな男、こっちから願い下げっ!
あたしにも大和さんにも、嘘ついて、騙して…
…っ、あんな可愛い彼女いるのに、…マジ最低な奴だよね!
…終わらせて、正解…。」
溢れ出しそうな涙を必死に堪えた。
…あんなヤツのために泣いてたまるか!
…あんなヤツ…
「……ナズナ…。」
そっと肩を抱いてくれる絵梨の中で、
あたしは、静かに泣いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!