別れ

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あたしは振り向きもせず、黙って廊下を歩き、階段を降りて、校舎を出た。 「…ナズナ。」 慌てて追いかけてきた絵梨が、あたしの背中に声をかけた。 ……。 「スッキリしたぁ! なんかモヤモヤが晴れたって感じ! あんな男、こっちから願い下げっ! あたしにも大和さんにも、嘘ついて、騙して… …っ、あんな可愛い彼女いるのに、…マジ最低な奴だよね! …終わらせて、正解…。」 溢れ出しそうな涙を必死に堪えた。 …あんなヤツのために泣いてたまるか! …あんなヤツ… 「……ナズナ…。」 そっと肩を抱いてくれる絵梨の中で、 あたしは、静かに泣いた。 .
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