ひとつの恋の終わり

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アパートまでは、10分とかからなかった。 「なんか複雑な気分…。」 建物が見えて、だんだんと近づくにつれ、 足取りが重くなる。 「自分の家なのに、なんか、帰りたくない。」 …あの部屋には、隼人との思い出がありすぎる。 自分から断ち切ったはずなのに、なぜか、寂しくて、胸が締め付けられていく。 「…でも、隼人には彼女いるんだし、ね。」 …この気持ちは、もう愛情じゃない。同情みたいなもの。 そう理屈を胸に押し付け、 意を決して、階段を昇る。 .
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