ひとつの恋の終わり

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…ジャラ あたしはカバンから鍵を取り出し、 ふたつとも隼人に手渡した。 「あたし、ここを出るの。 今日は荷物の整理しに来ただけだから。」 そう無表情で言い放つ。 「ホントに兄ちゃんと、住むのか?」 そう言う隼人の表情は、あたしを心配しているようではなく、ただ聞いているだけって感じで、 あたしはますます悲しくなった。 「そうだよ。 でも隼人にはそんなの関係ない。」 「そうだな…。」 あっさりと返事がかえってきたことに、 もう、話をすることすら、 限界に思えてきた。 .
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