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大和さんのマンションにつくと、
あたしは、予想通り、入ってすぐ右の部屋に通された。
「好きに使っていいから。」
そう言って、彼はリビングへ行く。
…カサブランカ。
ふと、あの部屋にあった花のことが頭をよぎったけれど、
ひとまず胸に留めることにした。
部屋に荷物を起き、
あたしもリビングへ向かう。
大和さんは、ソファに座り、本を開いていた。
「あの、聞いてもいいですか?」
「何?」
大和さんは、顔をあげ、あたしを見る。
「なんで、大和さんは、あたしをここに置いてくれるんですか?」
「…契約したから。」
そう言うと、再び本に視線を落とした。
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