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「…ふぅ、多いよーっ!」
まだダンボール3箱しか開けていないが、なかなか片付かない。
もともと片付けは得意でない上に、この量を目の前にすると、やる気は失せる一方で。
「もぉ、…飽きたぁー!」
そう叫んで、ベッドに転がった。
「…何、やってんだ?」
背中に降り注ぐ低い声に慌てて飛び起きる。
「…あはは、おかえりなさーい…」
あたしは苦笑いしてごまかすが、大和さんは険しい表情であたしと、
片付けてんのか散らかしてんのかわからないくらい物の散乱した部屋を見て、
ふぅーとため息をついた。
「アイツとは、大違いだな…。」
「えっ?」
「ほら、早いとこ、片付けるぞ!」
そう言って、シャツを腕まくりし、散らばった服を手際よく片付け始めた。
…アイツ?
誰のことだろと思ったけど、
「何してんだ?さっさと動け。」
と、睨まれて、あたしは慌てて片付けに取りかかった。
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