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シャワーを済ませ、Tシャツとジャージ姿で浴室を出ると、
隼人が起きてベッドに座りタバコを吸っていた。
「…なんか、色気ない格好だなぁ…」
あたしはふと自分の格好を見る。
…スッピンを晒すのも、ジャージ姿も、慣れちゃったな。
「だいたい、付き合った次の日から、ほぼ毎日うちで寝泊まりしてんのは誰よ!
付き合ってまだ一ヶ月とはいえ、こんだけ一緒にいたら、慣れちゃうのは当たり前でしょ?」
あたしが、責めるようにそう言うと、まあまあと笑ってタバコの火を灰皿に押し付けた。
それから、手招きをしてあたしを呼び寄せる。
あたしが行くと、ポンポンとベッドを叩き、自分の脚の間に座るように促した。
あたしが背を向けてそこに座ると、後ろから両手を回し、肩を抱くようにし引き寄せる。
筋肉質だけど細く引き締まった腕と胸に包まれて、思わず顔だけ後ろを向くように振り返ると、
そっと唇が触れ合い、ほんのりタバコの残り香が鼻をくすぐった。
「…好きだよ、ナズナ。」
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