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「おつかれさまでーす。」
店に入ると、午前勤務のパート主婦の三枝さんと、店の店長が何やら話していた。
まだ店にはちらほらとしかお客さんはいない。
「あ、ナズナちゃん!」
慌てたように、店長が手招きしレジのすぐ横にある事務所に入る。
「どうしたんですか?」
あたしも事務所に入り、ロッカーから自分のネームプレートのついたユニフォームを取り出し、カットソーの上から羽織る。
すると、店長が、心配そうに訊いてきた。
「ねぇ、ナズナちゃん。
体大丈夫?疲れてない?」
店長の突然の質問に、あたしはキョトンとして答える。
「元気すぎて困ってますけど。」
「…そう?…ならいいんだけど。シフトきつかったら無理しないで言ってね。」
と、あたしを覗き込む。
あたしが笑って返すとホッとため息を付き、安心したかように椅子に座り、発注用のパソコン打ち始めた。
あたしは、なんのことやら分からず、首を傾げて事務所を出ると、今度は三枝さんが慌ててあたしに近寄ってきた。
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