別れの危機!?

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「…間違い電話じゃないですか?」 あたしがケロッと笑って答えた。 しかし、三枝さんはブルブルっと首を振り、 「ナズナちゃんを指定して言ってるのよ!宮瀬ナズナなんて、めずらしい名前の人、そうそういないでしょ?ナズナちゃんに心辺りはないの?」 と眉間にシワを寄せて、詰め寄ってきた。 …確かにナズナなんて名前、あたしが知る限りあたししかいないけど、心辺りといっても思い浮かばない。 しばらく考えていたが、店内が賑やかになり、レジにお客さんが並び始めたので、あたしは三枝さんを促し、 「いや、ないです。間違いですよっ!」 と、笑って、 もうひとつのレジを開け、「お待ちのお客様、こちらへどうぞー。」とレジを打ち始めた。 三枝さんは納得いかないように、「じゃあストーカーかしら…」なんて呟いていたけど、次第に店は混み合ってきて、忙しくなり、考える間もなくなった。 .
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