他者の理解及びそれに伴う信頼について

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人間は、他者を完全に理解出来るだろうか 答えは否だ 表面的な理解は可能だ しかし、相手の考えている事を完全に理解出来る人間などいない 他者を完全に理解出来たとしたら、それは他者にとってとてつもない苦痛であり恥辱である その人間が今考えている事、今抱いている全ての感情、そんな物を全て他者に理解されたら、その人間は生きていけない 人間は、他者が本当に考えている事を理解出来ないし 言葉の真偽を完全に判断する事も出来ない なら信頼という言葉は何の為にあるのだ、そう問いたくなる人もいるだろう 答えは、自分を安心させる為にある言葉だ 他者を理解している振りをする事で、自分の不安を抑え付けているだけのこと 例えば、付き合っている恋人がいたとしよう 相手は、愛してる、と言ってくれる しかし、本当に愛しているかどうかわからない 実際、心の中では愛していないが、口で言っているだけかもしれない そういう不安を取り除く為に、人間は信頼という手段を取る しかし、二人以上の人間が存在している以上、その間には様々な感情が発生する その感情ははっきり言ってどす黒い物が大半を占めていると思っていい だからこそ、他者を信頼するべきではない 信頼しても大半は騙され裏切られるだけ しかし、人間は信頼しなければ自己の安定を計れない だから、人間は騙され裏切られるしかない そして傷つき、また信頼してまた傷つく その繰り返し それでも信頼する事を辞めないのは、それだけ人間の精神が不安定な物であるという動かぬ証拠であろう
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