敵意

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敵意

遠い昔。 僕がまだ小学校を卒業して間もない頃、サークルの活動の帰り、母が買い物をしているとゆうので僕はそのデパートのトイレの前に座っていた。 トイレの前にはベンチが幾つかあり、ちょっとした休憩所になっている。 母の買い物はいつも無駄に長い。 僕はいつものようにため息をつきながら待っていた。 だがその時、高校生らしき男たちが数人そこに入って来た。 男たちはいったん違うベンチに座ると、ひそひそと何か話してからこっちへ歩いてきた。 あきらかに不良だ。 茶髪に脱色にピアス。 服装。 当時の僕には決して関わる理由の無い連中だった。 『おい。おまえ俺のこと知ってるか』 リーダーらしき男がきいてきた。 『いや…、知らないです…』 『おまえ中学生か』 『…はい』 『あし中か』 『いや、ケーセーです』 『なんだ。ケイセイか』 ボスッ!! いきなり右から二番目の男がみぞおちに入れてきた。 何が起きたのかわからなかった。僕は固まった。唖然とするしかなかった。 『ひゃはははは』 奴らが笑い始めた。 ようやく今まで自分がブラウン管の中でしか見たことのない場面に遭遇しているのだとゆうことがわかった。 『おいだいじょぶかよ』 一番右の男が言う。 『あ…』 バシッ!! 返事を待たずに左から二番目の男が蹴りを入れてくる。 『だいじょぶか~』 大丈夫じゃないと言えば助かったのだろうか。 なぜか頭がパニックをおこし大丈夫ですと言ってしまった。 男たちが笑いながら…にやけた顔で“こぶし”や“蹴り”を次々に僕にあびせる。
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