きっかけのメル友

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あれは僕が高1の時でした…。 ある人にメールを送りたかったんだけど、アドレスが間違っていたらしく、送信してすぐにエラー通知が来た。 エラー通知が来たにもかかわらず、夜中にそのエラー通知が来たはずの、返事がくるはずの無いアドレスから返信が来たんだ。 僕は『元気?』って送ったけど、ちょうどその女性(ひと)は失恋して落ち込んでいる所だったから、僕のメールを見て驚いたらしい。 その人の名前は『菜月』。 福島県で中学校の教育実習生をしている人だった…。 つまり、僕にしてみれば「先生と生徒」という関係になる。 僕はその人が落ち込んでいるのが気になったから『またメールしていい?』ときいた。 彼女は『もちろん』と答えてくれた。 でも、実際のところ全く知らない女性とメールする事が初めてだったので、ドキドキしていたんだと思う。 それから一週間我慢した。 すぐに送ってしつこい人だと思われたくなかったから。 たわいもない話でもりあがり、僕らはうちとけあっていった・・・。 誰よりも仲良くなったとお互い思っていた。 県外の人と友達になるなんて初めてだし、恋愛なんて初めて、僕は盲目になっていたんだと思う。 初めての両想いだから・・・。 毎日毎日が幸せだった。 授業中も休み時間も、テスト期間もメールして、夜中から明け方まで電話した。 そのせいで次の日寝不足なのさえも幸せだった。 彼女の別かれた元彼にヤキモチやいたり、結婚したあとの予定を二人で考えたり・・・。 生まれて初めて本当の幸福を得た様な気がした。 人にこんなに愛してもらえるなんて、人をこんなに愛せるなんて、この人と永遠によりそっていたいと思ったんだ。 だけど僕はもともと心配性の性格だから、彼女が部活の試合でしばらく連絡がとれなくなった時、気が狂いそうになってしまったんだ。
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