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俺の手に握られた
たった一つの石ころ
これ以上無くすものはないと思ってた。
3年前…俺はまだ中学生だった
父親と
母親と
まだ幼い弟一人
俺を残して
皆去っていった
記憶にあるかぎり…
最後に流した涙は
3人が煙になって
天へ昇っていくときだった
あとは…何も出てはこなかった
涙も…悲しいなんていう感情も…
どれほど神に願っても
3人は俺を残していってしまった
二度と帰ってはこなかった
だからもぅ
神様なんて
信じない…
「とうとう…家まで…」
何のために…生きてんのかねぇ…
家が無くなって悲しいというより…
だんだん…
腹が立ってきた…っ
大体なんなんだっこの石はっっ!?
真っ赤に燃えているようで…
ほのかに暖かい……
こんなものがあの家にあったのか?
気付きもしなかった…
とはいえ…
これからどうするかなぁ…
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