Side:YOICHI

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一目惚れなんて信じない。 だって見ただけで誰かを好きになるなんてありえないだろ? 中身も知らなきゃ誰かを好きになるなんてありえない。 ずっとそう思っていた。 アイツに会うまでは…。 貴方に逢ったその日から Side:YOICHI 「コンバンハ、オニーサン」 「………」 「ちょ、オニーサン無視は酷くない?」 「…、………」 「やっぱ無視なのかよ!」 俺を育てたのが吸血鬼だった所為か夜行型になった俺は毎日深夜の森に遊びに出ていた。 目が殆どその役目を果たしていない俺にとっては昼も夜も大差ないからな。 その日も何時もの如く深夜の森を満喫していた。 毎日変わる風の音。 時折聞こえる誰かの足音。 その時、急に飛び込んできた光。 はっきりとわかった。 強いけど優しくて暖かい。 俺はそんな光の虜になった。 気がついたら俺は光に話しかけていた。 「ハジメマシテ、オニーサン」 その日は見事に無視された。 次の日もその次の日も。 でも面白い事に光は毎日此処に来ていた。 俺を意識しての事。 だったら嬉しいんだけどなぁ。 なんて思ってたら昨日は一回振り向いてくれたんだ。 今日は何か言おうとしたのか立ち止まりもした。 俺の予想じゃ明日か明後日には返事をしてくれるぜ。 一目惚れなんて信じない。 だって見ただけで誰かを好きになるなんてありえないだろ? 中身も知らなきゃ誰かを好きになるなんてありえない。 ずっとそう思っていた。 だけど…。 一目惚れも悪くはない。 -END-
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