空白の8年間

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いつからだろう、君の存在を気にし始めたのは。君はいつも僕の近くにいて、いつも僕に笑顔で接してくれた。あの頃、君は僕のことが好きで、僕は君のことが好きだった。だけど2人はお互い両思いだとは知らずに遊んでいた。そのまま時間だけが過ぎ、僕は引っ越すことになった。僕はその時、生まれて初めての胸の痛みに襲われ、それと同時に涙が溢れた。あんな気持ち初めてだった。その時、これが初恋だと実感した。引っ越した後も君の事を忘れたことがなかった。正直な気持ちを話すと、好きな人ができても、その相手と君を比べてしまう。友人に好きな人のタイプは?と聞かれたら、真っ先に君が頭に浮かぶ。それを聞かれたら君のことしか出てこない。それは、君が僕の好きだと感じる全てだから。君と離れてから8年の月日がたった。僕は高校最後の試合で、あの頃の友人に偶然にも出会い、友人は君に僕の存在を話した。君は友人を通じて僕を捜した。そして遂に、8年ぶりの再会を果たした。僕は凄く嬉しかった。やっぱり僕は君の事が好きだった。どこが好きかと聞かれても僕は答えることができない。それは君の悪い所や良い所、全てをあわせた君が好きだから。だから僕は、君に想いを伝えた。僕は怖かった。他の男に君を取られるのが凄く怖かった。君の笑顔を他の男に見せてほしくなかった。だから早いと思ったけど、想いを伝えた。でも君にはもう彼氏がいた。僕はその彼氏が憎くもあり羨ましくもあった。表現できない程辛かった。僕は泣き崩れた。だから僕はその男とは別れてと言った。でも君はできないと言った。今の彼氏と正直ダメだとわかってるけど、彼氏には君が必要だから別れれないと言った。君の優しさや他人想いなのは尊敬できる程だ。でもその優しさで他人が傷つくこともある。僕が傷ついたように。だけどこれは当然の結果だと思う。だから僕は君を待つことを決心した。君がいつか僕の所に来ることを信じて。また、あの頃のように2人で笑い合えることを願って。僕は待つ。ただ辛いだけなのはわかってるけど、これしか僕には残っていない。今の僕には君を信じることしかできない。信じることしか。
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