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高校1年の秋。
あたし、高崎 未稀那(たかさき みきな)には彼氏ができました。
「高崎!」
あたしを呼ぶ声に周りの女子が黄色い声を上げる。
彼は浜本 香(はまもと きょう)くん。
一応…あたしの彼氏さん。
「香くん…どうしたの?」
「ごめんっ!今日一緒に帰れない」
パンッと両手を合わせて香くんが謝る。
…今日“も”でしょ
「ううん、いいよ気にしないで…生徒会忙しいんでしょ?」
「……ごめん」
そんな顔するの反則だよ…
香くんの悲しそうな顔を見ていられなくてあたしはうつむいた。
「香ー!!」
「真姫先輩…」
「何してんの、ほらっ早く行こっ?」
「あ…はい」
生徒会の先輩でもある真姫先輩は香くんの腕を引っ張る。
「高崎さんごめんねぇ~…香借りてくから」
何なの…この先輩
あたしを嘲るように笑い真姫先輩は香くんと歩いていった。
あーあ…
「ったく、ケバい女」
「……凛」
「浜本ももっとはっきりするべきよ!」
あたしは親友の凛と席についた。
凛には何でも言える
あたしが香くんとまだ一度も一緒に帰ってないとか
…付き合ってるらしいことしてないとか
とにかく、全部
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