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あたしが傷付いて黙り込んだと勘違いしたらしい真姫先輩はべらべら話始める。
「まだ一回も一緒に帰ってないんでしょ?」
「………だから?」
「香ね毎日生徒会の後あたしを家まで送ってくれてたの」
は?
え、何今の…幻聴ですか?
「香はあたしとずっと一緒に帰ってたのよ!」
真姫先輩の高笑いが頭に響く。
…何それ……
香くんが真姫先輩を送ってた?
しかも毎日?
「嘘だと思うなら香に聞いてみなさいよ…ま、そこで頭冷やせば分かることだけどねぇ」
あたしは無意識のうちに香くんに電話をかけていた。
真姫先輩のいる気配はもうない。
香くん…
嘘…だよね?
『もしもし、高崎?』
「あ…今学校?」
『うん…今から帰るとこ。何?どうかした?』
「…ううん」
言えない
やっぱり言えないよ
「香くんはずっと真姫先輩と帰ってたの?」なんて…
聞けるわけないじゃん
『香ー帰ろう♪』
電話の向こうで真姫先輩の声がしてあたしは何も言わず電話を切った。
もうやだ…
香くんの気持ちが分かんないよ
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