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「その道は行き止まりだよ」
誰かの声がした、振り返るとそこにいたのは一匹の二足歩行する黒猫だった。
「なぜ君はこの道が行き止まりだとわかるんだい?僕より後から来たのに。」
すると二足歩行する黒猫は僕に近寄ってこう言いました。
「私はずっと前に此処に着いたんだ、君よりずっと先にね。」
僕は不思議に思って首を傾げた、二足歩行する黒猫は‘今はきっと解らないよ。’そういって今ある道から九十度のところを指差しました。
「君が行くところはあそこ、さぁ早く戻って。」
すると二足歩行する黒猫が指を差したほうに道ができました。行き止まりと言われた方とは違い、ゴツゴツとした道だったけど、なぜかそちらに進みたくなったのです。
「さぁ、早く行って。振り返らないで。」
「うん、ありがとう。猫サン。」
二足歩行する黒猫に見送られて僕はゴツゴツとした道を歩いていきました。
気が付くと僕は病院のベッドで眠っていました。自転車で道路を渡っていたときに、トラックに接触し、病院に運ばれたそうです。
その時のことを少し思い出しました。確か僕は道路を横切る猫を助けようとして……。
「……あ」
確かあの猫も黒かった。
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