第一幕:prologue

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ケティは声の主を軽く睨みつけ、しばし何かを考える様子を見せた。   ものの数秒後には少し顔を歪め残念な様な、不満な様な盛大な溜め息を吐いた。   「わかったわよ、今日はこれくらいで許してあげ「ふあ~…何々ぃ…?退屈な話は終わったのー…??」   ケティの言葉を遮り、何も喋らずうつらうつらとしていた青年が大きなあくびをしながらボソボソと呟いた。   青年は悪びれた様子も無くまだ眠いのか目を擦っている。   ケティと黒髪の男性はあくびをしたその大きな口と素直すぎる程の台詞に顔を見合わせ苦笑した。   「ロビン、また寝てたのね」   ケティは眠そうにしている青年をロビンと呼んだ。   未だ半分夢の世界にいて心地良いのかとろんとした表情のロビンはゆっくりと頷いた。   「うん…退屈だった…から」   「退屈とか言うなよ!!!」   床に伸びていたクリスだったがロビンの言葉を聞いた瞬間誰もが驚くような素早さで起き上がり眠そうなロビンを叱咤した。   ロビンは特に気にする様子も無く見向きもしないが。   そんな二人の様子は酷く滑稽で、クリスを哀れんだ男性が口を挟んだ。   「クリス、変な噂話をもってくるのは良いがアリスやローザがいるのを忘れるなよ」   「なっ…!忘れるわけじゃないけどやっぱり聞いて面白かったら皆に聞かせたいじゃん!拓海だってよく俺らに勉強教えてくれるだろう??」   「それとこれとは違うだろう。第一、中身が違いすぎる」   二人は口論を始めたがクリスが熱弁を繰り広げ、ケティを制止した拓海がそれを聞き流しているだけで喧嘩にまで発展しない、と言うよりはクリスが一方的に熱くなっているだけのように思える。   口論もどきの間、ケティとロビンがアリスとローザを言い聞かせ、こちらはまた落ち着きを取り戻し始めた。   しばらくすると口論していた二人も拓海に言い負かされて不満そうにしているクリスと言う形で落ち着き、6人はテーブルを囲んでまた雑談を始めた。 
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