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私はさっき、フられた
フィールと言う彼はみんなに優しくて、とても暖かい人。多分私はその優しさに引かれてしまった。
そしてその優しさが私だけに向けばいいと思ってしまったのだ。
わがままな想いから始まったこの片思いは静かに幕を閉じ、明日からは違う世界が見えると思ってた。
こいつが来るまでは。
「フられたんか?」
軽く鼻で笑う音がして涙が溜まる目を上にあげるとそこには「こいつ」ことカイン。
フィールとすごく仲が良い彼は、教室の自分の席に座る私の前の席の机に座り込み切れ長の目でにこりと笑ってみせた。
「…何よ。笑いに来たわけ?」
「まぁ、そうなるな」
「っふざけないでよ…帰って。邪魔」
泣いてる女の所に来て、笑いに来た?
ばかじゃないの…
迷惑にもほどがあるわ
「素っ気ないねぇ」
「ねぇ、わからないなら教えてあげるけど。私は貴方が言った通りフられて泣いてるの。わかる?泣いてるのよ。一人で泣きたいから帰って」
††††††
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