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『まぁ、ヒントみたいなものかしら』
何故か嬉しそうな声だ。
「ヒント?」
『多分だけどね、タイムスリップすると、会いたいと思った人のところに行くみたいなの』
という事は、彼女は俺に用事があったわけか。
って、俺に!?
こ、告白とかだったら……ど~しよ~!!
「何悶絶してんの?」
顔を押さえてじたばたしている俺を見て、香純が聞いてきた。
俺はなんでもないよというジェスチャーをして電話に戻った。
「そうなんだ、ありがとう。お陰で早く解決しそうだよ。
でも、なんで母さんそんなに知ってるの?」
『ウフフ、禁則事項よ。じゃあ、また何かあったら連絡するのよ~』
き、禁則事項?
母さん、あなた一体何者?
「う、うん、わかった。じゃあまた後で……」
俺はそう言って電話を切り、香純の方に向き直った。
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