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「うーん……」
カーテンの隙間から洩れる朝日が眩しい。
俺はもぞもと布団から出ようとした。
が、何かにがっちりキャッチされてて動けない。
「なんだ?」
俺は眠い目を擦り、掴んでいる正体を探った。
それは意外と近くにあった。
否、居た。
すーすー寝息を立てている可愛い顔が、振り向いた先にあった。
俺?
思わずハッとしたよ。
「可愛い……」
軽く頭を撫でてやる。
気持ち良さそうに目を細めた。
ヤバイ、かなり和むわ。
って、冷静に考えたら何だこの状況?
え、なんで一緒に寝てるわけ?
未だに香純は俺を抱きしめたまんま、放そうともしない。
そこがまた可愛いらしい。じゃなくて、何故?
昨日の事を思い出してみた。
確か、二人とも風呂入って、香純はベットに、俺は敷布団に寝たんだよな。
取り敢えず、一緒の部屋に寝たのが間違いだな。
そして、香純。
落ちたな。
夜中の振動はそのせいだな、うん。
今頃目覚ましが鳴った。
目覚ましをセットするのは学校の日。
ということは。
「俺学校やん!」
ちょっとおいしい状況だけど、ここは我慢だ。
俺は香純の手を優しくほどいて、俺は学校に行く仕度を始めた。
「純……」
立ち上がった瞬間、香純が口を開いた。
「ん?……なんだ、寝言か」
「だいす……ぐぅ……」
俺はガクッと、コケた。
期待させやがって。
「っと、準備準備」
俺は部屋を後にした。
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