3261人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぐれないように。ちゃんと俺の手、握っといてね。」
そう言って差し出された手を、あたしはそっと握った。
満足そうに微笑む朝陽。
…手、つなぐの、三回目。
あたしは、真っ赤になりながら、朝陽とつながった手に目を落とした。
…あったかい。
一度、自分から手を繋ぐのを拒否してしまってから、
なかなかつなげなかった。
自分が朝陽の彼女だって、少しずつ自信もついてきてるけど、
自分からは言えずにいた。
…離さない。…迷子にならないように、ね。
あたしが少し強く手を握りしめると、
朝陽は嬉しそうに微笑んで、あたしの頭を撫でた。
.
最初のコメントを投稿しよう!