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…なんか、寂しいな。
今までつないでいた手が、急にひとりぼっちになり、物足りなさを感じていると、
朝陽が再びあたしの手を握って、言った。
「…帰りつくまでが、デートだよな。」
あたしは、握られた手を見つめ、ドキドキして顔をあげ、朝陽を見る。
朝陽は前を向いたまま、片手で器用に車を走らせた。
暗くてよく表情は見えないけど、
握った手の温度が、ぐっと上がっていくのを感じた。
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