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『あのさぁ、俺、全然焦ってないんだよね。
クラスの奴らはさ、バカにするけど、
やっぱ、大切にしたいじゃん。
俺自身をじゃなくて、相手をさ。
初めてのキスも、童貞捨てるのも、
ただ焦ってしたって、相手を傷つけることになりそうでさ。
だーかーらー。
兄ちゃんも焦んなさんなって!』
そう電話口で話す夜空は、堂々としてて、感心してしまった。
12も年下の弟の落ち着きぶりに、焦ってる自分が恥ずかしくなる。
『でもさぁー…、』
「ん?」
『俺も早く経験してみてぇー!』
そう言って笑う夜空に、俺は素直に同意した。
「…俺も!」
ふたりでバカみたいに大笑いした。
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