3261人が本棚に入れています
本棚に追加
「いってきま~す!」
玄関の扉を開けると、冬の朝らしい柔らかな光が差し込み、ふわっと冷たい風が頬を掠めた。
見上げる澄んだ水色の空には雲ひとつない。
……しっとり冷たい朝の空気に、濡れて煉瓦の赤色が鮮やかに映えて
遠くに聞こえる教会の鐘の音…
この世のすべてがロマンチックぅ……♪
膨らんだ妄想のポエムを口ずさみながらうっとり微笑むあたし。
なんだか性格変わっちゃったかなぁ…
なんて思いながら、自分のテンションの高さにニヤケていると、
ふと影がかかって暗くなり、自分の前に誰かが立っている気配がした。
.
最初のコメントを投稿しよう!