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翌日、俺は朝から敵地視察に街をまわっていた。
顔見知りの店から、新規参入の海外ブランドまで、一日中かけて十数件まわり、
夕方、ひと息入れようと、コーヒーショップに入ろうとしたとき、珍しい奴から声がかかった。
「あれ?朝陽じゃん!」
振り返ると、大学時代の友人の、木村 泰一(たいち)が同じくスーツ姿で手を振っていた。
「おっ、泰一!」
「久しぶりだなぁ…。朝陽、お前変わんねえなぁ!」
俺より少しだけ背は低いが、肩幅がガッシリしていて体格のいいそいつとは、大学時代、サークルもバイトも常に一緒にだった。
ただ、ある事件を機に、疎遠になっていたのだが…。
「ま、立ち話もなんだし。」
俺と泰一は、コーヒーを飲みながら、しばし昔話に華を咲かせた。
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