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泰一は、偉くなったんだろう。やたら自信満々な態度で色んな話をした。
驚いたのは、奴は今、同じアパレル業界にいることだった。
どうやら俺の存在は、モデルをしていることもあり、知っていたらしいが。
昔から何かと俺に対抗意識を燃やしていたやつだったが、まさか仕事まで…と、半ば呆れて話を聞いていた。
「ところで、お前さぁ、結婚は?」
この手の質問は、この歳になればよくある。
「まだ予定ないなぁ…。」
だいたいお前に言う筋合いねぇよ…といい加減イラつきながら返事をする。
すると泰一は、
「お前みたいなイケメンでも、結婚ってなると話は別なんだな!」
と高笑いをした。
こんな笑い方する奴だったっけ。
人は変わるもんだな…。
ますます不愉快になり、
じゃあそろそろ…
と、席を立とうとしたとき、泰一の口から思いがけない言葉が飛び出した。
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