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「今日は少し人の多いとこ行く予定だけど、大丈夫?」
「うん!」
あたしは笑顔で答える。
朝陽はモデルもしていて女子高生の間では多少顔の知れた有名人なので、
普段のデートは人混みを避けて、朝陽の自宅マンションでDVDを見るか、
ゆっくり時間の取れる日は、郊外までドライブに行くのがお決まりパターンだ。
あたしは朝陽と一緒に過ごせるだけで嬉しかったから、それで全然構わなかったんだけど、
朝陽は気を使って、たまには出掛けようと車を走らせていた。
行き先は聞かされていない。
…どこ行くんだろ?
そう思い、窓の外を見るが、見慣れない景色だけが通り過ぎていく。
車の中は、朝陽が好きな洋楽が流れていて、朝陽はご機嫌そうに鼻歌を歌いながら運転していた。
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