久しぶりのデート ~Angle**SHOKO~

9/15
前へ
/161ページ
次へ
近づくにつれ、車の数も多くなり、想像以上に人がいることが分かり、不安になる。 「…人、多そう。」 あたしがそうつぶやくと、 「大丈夫だよ。逆に人多すぎて、気付かれにくいって!」 と、朝陽は笑って言った。 「それに、翔子の行きたかった場所でしょ?」 あたしは、朝陽の言葉に驚いて顔を上げる。 …行きたいって言ったことないよね。 朝陽も忙しいし、人混みは避けたいと思ってたから、あたしは行きたいと口にしたことはなかった。それなのに…。 「だって、翔子。いつもお前が選ぶDVDの中にはディズニー物入ってるし。この前だって、食い入るように雑誌のディズニーランド特集見てたからさ。」 そう言って朝陽は、あたしのおでこを指でつんっと小突いた。 あたしは、ハッとして耳が真っ赤になる。 …バレバレだ。 「到着!行こっ!」 朝陽の声に、あたしは慌てて車を飛び降りる。 それから、助手席側にまわってきた朝陽が、手を差し出して言った。 .
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3261人が本棚に入れています
本棚に追加