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「お願い、起こしてよ、自分じゃ起き上がれないの」
梓は必死で頼んだ。
しかし将悟は、
「ど~しよっかなあ?俺のお願いも聞いてくれたら考えよっかな」
意地の悪い目をして言った。
「は?!そんなこと言ってる場合じゃないでしょ、お願いならあとで聞くからとりあえず起こしてよ!!」
梓たちの横を通り過ぎていく人々は不審な目で2人を見ている。
梓の言葉を無視するように、将悟は続けた。
「そうだなぁ~、あの看板のマネしながら、『将悟大好き』って言ってくれたら起こしてやる」
そう言って将悟が指差した方向には、
高いビルに設置してある大きな看板があった。
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