129人が本棚に入れています
本棚に追加
/132ページ
「庭に面していると何かと便利だ。朝は中庭の光がはいる。」
中庭を囲む部屋は、大体が、フェイニかセバスチャンが使っている。
ある意味特別な区画なのだろう。
上の皇子達は、別棟を好きに使っているらしい。側室も多く、式典にもなかなか顔をださない。
「王が、心を痛めている。」
ぽそりとフェイニが呟く。
そりゃ跡取りの、第一皇子が遊びに、学問にと国政以外に夢中だとしたら。
心労もひどいだろう。
俺なら、さっさと始末する。
フェイニを見てあると、そうしたくなる。
個人的感情・・・。
仕事の邪魔なはずなのに。
「さて、寝るか。お前も床にはいれ。」
何事もないようにフェイニは床にはいった。
仕方なしにおれも、従う。
今までにない、ふわりとした感触。
包み込まれて。
緊張が溶けてしまう。
泥沼にはまるように、おれば眠りに落ちてしまった。
なんだ・・・
この。
懐かしい安心感は。
最初のコメントを投稿しよう!