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田辺さんは私よりすごく大人だった。
色んな事を私に教えてくれる。
「紗弥ちゃん」
「あ、はい。どうしました?」
「私ちょっと一服したいなぁ~」
「わかりました。じゃあ、私が支えますから歩きましょうね」
「うん。……よっと」
田辺さんの足は驚異的な早さで回復していた。
すでにリハビリでかなり歩けるようになっているから、退院も目前だろうと教えられた。
5分近く歩いて、喫煙所に付くと早速田辺さんはタバコを吸い始めた。
キンッ!
ジッポーの金属音がして、辺りにタバコの匂いが漂い始める。
一度煙を吐き出した田辺さんの表情はとても落ち着いていた。
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