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この時私は、この人の色んな表情を見てみたいと思った。
嬉しそうに笑う顔、寂しそうな顔、怒った顔……全てを見てみたいと。
そして、この人なら私を大切にしてくれると思えた。
私の答えは決まった。
田辺さんの手をギュッと握り返す。
「田辺さん」
「……答え決まった?」
「はい」
「聞かせて?」
私は深呼吸をしてから、一言一言答えを出した。
「私……田辺さんの事、あまり知らないです。田辺さんも私の事あまり知らないと思います」
「………うん」
「でも私、田辺さんが私だけに見せてくれる表情が好きでした。私……これからもっともっと、田辺さんの事を知って田辺さんの色んな表情を見ていたいです………貴女の隣で」
「え……じゃあ…」
「私も田辺さんの事……好きなんだと思います。えと、よろしくお願いします」
そう言って、頭を下げた。
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