第一印象

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高3の6月。 私……高橋紗弥は、病院実習に来ていた。 私は、看護学生。 将来の為に一生懸命実習に励んでた。 この時私は1人の患者さんを受け持っていたんだけど……それがヒロこと田辺尋華だった。 「はぁ……憂鬱だなぁ」 「どしたの高橋さん。溜め息付いちゃって」 「いや~……今日も田辺さんの所に行くかと思うと……」 「あぁ~……田辺さんかぁ~」 友達が哀れんだ目で見てくる。 同情するなら、担当変わってくれ。 涙 こんな風に哀れんだ目で見られるのは、初日のアレのせいだな……。 †初日† 実習の初日は、受け持ち患者さんへの挨拶から始まる。 ここで印象良く出来るかどうかで、大体の実習が決まるから気を抜けない。 私の受け持ち患者さんは、若い女性の方だと聞いていた。 え~っと確かバイクで事故って、右足を骨折、肋骨も2・3本折れてるって言ってたな。 よしっ! 頑張るぞっ! 担当の看護師さんに連れられて、私は患者さんの病室へと向かっていた。 心臓はバクバクだ。 心拍数もどんどん上がる。 「高橋さん」 「はっ、はいっ!」 「そんなに緊張しないで。リラックスして」 「………はい」 軽く深呼吸をすると看護師さんは微笑み、病室の扉を開いた。 「田辺さーん、受け持ち学生さんが来ましたよ~」 「今日から3週間受け持たせて頂きます、学生の高橋です。よろしくお願いします!」 ……よっしゃ! 噛まずに言えたっ!
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