1673人が本棚に入れています
本棚に追加
高3の6月。
私……高橋紗弥は、病院実習に来ていた。
私は、看護学生。
将来の為に一生懸命実習に励んでた。
この時私は1人の患者さんを受け持っていたんだけど……それがヒロこと田辺尋華だった。
「はぁ……憂鬱だなぁ」
「どしたの高橋さん。溜め息付いちゃって」
「いや~……今日も田辺さんの所に行くかと思うと……」
「あぁ~……田辺さんかぁ~」
友達が哀れんだ目で見てくる。
同情するなら、担当変わってくれ。 涙
こんな風に哀れんだ目で見られるのは、初日のアレのせいだな……。
†初日†
実習の初日は、受け持ち患者さんへの挨拶から始まる。
ここで印象良く出来るかどうかで、大体の実習が決まるから気を抜けない。
私の受け持ち患者さんは、若い女性の方だと聞いていた。
え~っと確かバイクで事故って、右足を骨折、肋骨も2・3本折れてるって言ってたな。
よしっ!
頑張るぞっ!
担当の看護師さんに連れられて、私は患者さんの病室へと向かっていた。
心臓はバクバクだ。
心拍数もどんどん上がる。
「高橋さん」
「はっ、はいっ!」
「そんなに緊張しないで。リラックスして」
「………はい」
軽く深呼吸をすると看護師さんは微笑み、病室の扉を開いた。
「田辺さーん、受け持ち学生さんが来ましたよ~」
「今日から3週間受け持たせて頂きます、学生の高橋です。よろしくお願いします!」
……よっしゃ!
噛まずに言えたっ!
最初のコメントを投稿しよう!