化かされる者達

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俺の名は俊也。 今日はいつも遊んでる順二と正樹の3人で、隣り街にある、やたらと大きな墓地に向かっていた。 何故かというと、正樹の家で3人で話をしてたのだが、いつの間にやら怖い話になり、隣り街の大きな墓地の中にある女の子の像が、深夜2時になると手招きをするという順二の話が事の発端である。 その像は、墓地の真ん中に位置し、入口5ヵ所のどこから入っても、その像の場所に辿り着くようになってるらしい。 順二は3回観に行ってるらしいので、順二の道案内で深夜2時に像の場所に着くように、車を走らせていた。 車の中では、順二が、女の子の像は交通事故で亡くなった女の子だとか、今まで3回観に行って、手招きをしてた様子などを熱く語っていたのだが、その手の類いの話は多いので、俊也は軽く流す程度で順二の話を聞いていた。 隣り街に入ると雨が降り出し、墓地付近まで来ると雨足はさらに強さを増して、招かざる客を拒んでるようにも思えた。 あそこが入口やで 順二が右前方を指差して、次の信号を右に曲がるように、運転してる正樹に指示をだした。 俊也は初めてこの墓地に来たのだが、想像してたよりもはるかに大きな墓地であることと、ほんとに街のど真ん中に巨大な墓地があるんだなと内心驚いていた。 信号を右に曲がり入口前に来たのだが、鉄の門で入口は硬く閉ざされている。 おかしいな、いつもこの入口から入って行けてたんやけど… 順二は首を傾げて、こう続けた。 もうひとつ先の入口に行ってみよか。 そう言って、正樹に道案内を始めだした。 俊也は、いつも開いてる入口が閉まってたことや、この拒むような強い雨を見て、嫌な予感に包まれていたのだが、それ以上に好奇心が勝っていたので、変な事は考えないようにしていた。
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