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…鳥の囀り(さえずり)が聞こえる。
『ん?……あぁもう朝か…』
どうやらいつの間にか寝てしまったらしい。
でもかなり遅く寝たからな。もう昼くらいか。
『あぁ。今、何時だ?』
…と、時計に目をやると、
AM10:32
『はぁもう10時か。は?10時?そんな馬鹿な!!』
俺は重大な事に気が付いた。
学校?いや、今日は土曜日だ。県立の高校は休みだ。
何かって?
おかしいじゃねぇか。こんな遅い時間に、俺がしかも自分で起きるなんて!
いつもは休日でも8時半には楓が起こしてくれるのに。
もう2時間以上経ってる…。
一体どういうことなんだ。
と、とにかく俺はリビングに行った。
『あっ。やっと起きた!』
そう言ったのはお袋だ。
『よく寝たわねぇ。てっきり楓ちゃんに起こしてもらってるかと……』
『その楓がおかしいんだよ!最近。何かと顔をそらすし、急に俯いて赤くなったり…。』
『…ハッハーン!なるほどねぇ。母さんわかっちゃったよ!』
『わかったって、何がだよ!』
『つくづく鈍感だねぇ、アンタは。まぁそのうちわかるよ!』
『あっ、そうだ。昨日、楓ちゃんに夜ご飯作って貰ったんだって?』
『なんで知ってんだよ…。』
『いいから、いいから!コレ、御礼の果物。ほら!持って行ってらっしゃい!』
『へいへい。』
なんか知らんが、親が楓に飯作ってもらった事を知ってやがる。
…ったく、オバサンって生き物の情報網はすごいな。感心、感心。
って感心してる場合じゃねぇや。さっさと持って行って楓に謝ってくるか。
理由はわからんけどなんか謝ったほうが良さそうだしな。
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