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ったく、なんだったんだよさっきの女は…。でもちょっと可愛かったかも……。
そんな事を考えながら歩いていた。
しばらく歩くと、やがて我が学校の時計が見えて来た。時間がやばそうなのでちょっと走り出した。
校門をくぐろうとした時、やはり呼び止められた。
この学校で一、二を争う鬼教師。
生徒指導の斎藤に…。
『こぉら、綾瀬ぇぇぇ!お前はまた遅刻ぎりぎりに登校しやがって!お前には計画制が無いのかっ!!』
そう怒鳴られて、二発ほど拳が降って来た。
…ったく。朝からとんだ災難だぜ…。
教室に入り、自分の席に着いた。
頭の中の斎藤を想像上の俺がさっきの仕返しとばかりに殴っていると、担任の増岡が入って来た。
『さぁ、朝のホームルームを始めるぞ。さて、出席確認の前に、突然だが転校生を紹介するぞ。聞いた話に寄れば、前の学校では成績優秀で学力も運動能力も高く、人気者だったらしいぞ。』
ほほぅ。一体どんなやつなんだろうな。長髪イケメン野郎なのか、どっかのお嬢様か?早く顔を拝みたいな。
『では、朝倉。入ってくれ!』
ガラッ。っとドアを開く音。そこに現れたのは…。
『初めまして。朝倉 楓です。両親の仕事の都合で、今日からこの学校でみなさんと一緒に過ごすことになりました。どうぞよろしくお願いします。』
…と可憐に挨拶をした美少女は、なんと朝ぶつかったあの女だった。
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