第一章『出会い』

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『えーっと、朝倉の席は…。あ!調度良い。綾瀬の隣が空いているから、そこに座りなさい。』 増岡のヤロー!よりによって俺の隣に座らせるなんてよ! 向こうはまだ気付いてないみたいだが、それも時間の問題。 『綾瀬君…だっけ?お隣り同士よろしくね!』 『あ、あぁ』 やばい!まともに顔が見れない!どうしたら…。 『ねぇ。何でさっきから外ばっかり見てるの?何かあるの?』 『いや、別に…。』 …と、俺。 『あーっ!わかったぁ!顔を見るのが恥ずかしいんでしょ!』 『ほら!気にしてないでこっち向きなさいよ!』 そう言って無理矢理引っ張られる。 『や、やめろっ…。』 そう言った次の瞬間、起こりたくなかったことが起きちまった。 目を合わせちまった、俺と楓。 『あーっ!!貴方はあの時の!!』 そう言ったのは楓だ。 『また会ったな。残念だったか?』 『残念も何もないわよ!さっきのこと、忘れてないでしょうね?』 それは俺だって忘れたくても忘れられん。 忘れようとしたら、再びお前が目の前に現れたんだからな。 『なんだ。二人は知り合いだったのか?それなら話は早いな。』 会話に入ってくるな、増岡。それに話ってなんの話だ。 『べ、別に知り合いでもなんでも無いです!ただちょっと登校途中にぶつかっただけです!しかも綾瀬君、人のせいにするんですよ!』 おいおい、人聞きの悪いこと言うな!話がややこしくなる。 『そうなのか?綾瀬。だいたいお前は遅刻ぎりぎりに登校しようとするから、こういう事になるんだぞ!』 それはこいつ(楓)だって同じじゃねえか。 『綾瀬、これからは気をつけろ。こういうことは男が責任とるんだからな! よし。少し遅れたが出席をとるぞ。』 …ったく、これからどうなっちまうのか…。 俺には想像もつかないぜ…。 第一章『出会い』完 第二章に続く
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