第二章『佑と楓』

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はぁ。まったく、入学してまだ間もないっていうのに、とんでもないやつが転校してきたな。 まぁそれほど嫌なやつでも無いんだが…。   そういえばまだ言ってなかったな。あいつの家の場所。   月曜日 AM6:30   『佑ーっ!朝だぞーっ!おっきろーっ!!』 朝から響く甲高い怒鳴り声。お袋ではない。 じゃあ誰かって? ドンッドンッ!   『こらぁ!いつまで寝てるのよ!学校遅刻するよ!』 ったく朝から窓をたたくな。それに大声もだすな。近所迷惑だろうが。 多分もうわかってると思うが、声の主は楓だ。 なんで朝っぱらから俺を起こしているかというと、こいつの家が俺の家の隣で、どういうわけか部屋まで隣。しかも楓の部屋の窓から屋根に降りると、約5歩で俺の部屋に到着する。 俺の部屋の窓に繋がってる屋根と、楓の部屋から降りれる屋根は、30㎝くらいしか離れてないため、簡単に飛び乗ってこれる。 全く、学校の席も隣だが、まさか家や部屋までもが隣だとは夢にも思わなかった。
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