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―命って…―
「命をくれ。…ってなに考えて―」
途中で痛みが増し、気が飛びそうになる。
体に殆ど感覚がない。
「どうする。貴様次第だ。」
―どうしたらいいのか、自分でもよくわからない。このまま死んでも構わない。でも、自由を手に入れず死ぬのは…―
「…どうやら決まったようだな。」
すると男は私の首筋に、顔を当てた。
「ぅ…」
首筋に痛みがはしったかと思ったら、意識をなくした。
あれから、どのくらいの時間が流れたのか、気付くと 見知らぬ場所で寝ていた。ヨーロッパ風の寝室
―ここは…何処?―
思い出そうとするが、途中までしか覚えていない。
「痛っ!」
そうだ、あの時 変な男に刺されて……って。
刺された所を触ってみたが、痛くはなかった。痛かったのは、首筋だった。
ベットから起き上がり近くにあった手鏡で首筋を見てみた。そこには、2つの丸い傷があった。―まるで…牙のような―そんな傷だ。
「何されたんだ?……吸血?って事は、あの男は」
ハッと思い、あたりを見渡すが男の姿は無い。
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