―自由―【繋がれた鎖】

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「じゃぁ…もし仮契約しないで血を吸われていたら私は…」 そう思ったら急に怖くなった。 「あぁ。やばかったな。」 男はそう言うと、私に毛布をかけ、キッチンに行った。 暫くすると、何やら良い匂いがしてきた。 「何も食べてないだろ?有り合わせで作ったスープだが、味は保証できる。少しは温まるだろ。」 有り合わせとはいえ、見るからに美味しそう。 「いただきます(小声)」 一口飲んだ瞬間、スープの暖かさが冷えきった体に流れ込む。 「温かい…しかも美味しい。本当にアンタが作ったの?」 独り身だと家事が得意というけど…。 「他に誰が作る?家には俺達しか居ない…ってかアンタって呼ぶの辞めないか?」 「だって名前知らないし。ってか興味ないから。」 「俺は、淋だ。」
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