―自由―【繋がれた鎖】

11/14
前へ
/138ページ
次へ
「淋?」 「そうだ。お前の名前は知っている。姫川アンナ」 「何で知ってんの?」 「お前を観察していれば分かる。家・学校を付いていたからな。」 「その時、淋は言ったよね?予死者って…何それ」 「そのまんまの意味だ。近々死ぬ人間の事を指す。どんな死に方をするかは分からないが、時刻と場所は分かる。」 「で、私が刺されるのを見てたって事ね。」 「あぁ。それは決められた運命だ。変えるわけにはいかないからな。」 「でも、結局変えちゃったわけでしょ?」 「お前は死んだ事になっているからな。その後どうこうしようが俺の勝手だからな―でもお前は変な人間だ―」 「変で悪かったわね!生まれつき、こういう性格。」 「俺は、いろんな人間を見てきた。予死者として死に際に合ったら、人間は命ごいをしてきた。」 『たっ…助けてくれ!!』 『金なら払うから!!』 『頼む!!助けてくれえぇぇーーー!!』 「だからお前も命ごいをするのかと思ったよ。“所詮人間というのは、そういう生き物だとな”でもお前だけは違った。命ごいどころか、死にたいと言った。」
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

163人が本棚に入れています
本棚に追加