―自由―【繋がれた鎖】

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淋が呪文を唱え出すと、 私の体が熱くなってきた。 「胸が…苦しい……。」 思わず倒れるように座り込んだ。呼吸するのがやっと。 「はぁ…はぁ……。」 目の前視界がぼやけて来る、意識がとびそうだった。 「アンナ、これで契約は完了する。」 淋は私の顎を持ち、グイッと自分の顔に近付けた。 「俺に、口付けすれば契約が完了する。これでお前は自由の身だ。」 ―…自由…― (やっと私、自由になれる) 何の迷いもせず、淋に口付けをした。 その瞬間、体に力が入らなくなり、意識がとんだ。
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